元気の素は、日々のごはん

毎日の元気を支える食の話題をあれこれ

人気のエゴマ油、商品の中には脂肪酸組成が異なるものも

独立行政法人 国民生活センターから、人気の「エゴマ油」について次のような発表がありました。(詳しくは、国民生活センターのHPをごらんください。)

 

 「えごま」はシソ科の植物で、えごま油はその種子から搾られた、α-リノレン酸を豊富に含む油です。近年、「アレルギー疾患を改善する」、「がんの発生を抑制する」、「高血圧を予防する」などと言われ(注1)、テレビや雑誌等のメディアでしばしば取り上げられています。

 PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)(注2)には、えごま油に関する相談が、2010年度以降2015年11月末までの5年間あまりで179件(注3)寄せられており、2015年度に入ってその件数は急激に増加しています。

 今年度に入り複数消費生活センターから、購入したえごま油の色やにおいがおかしいため、えごま油であるか調べてほしいという依頼が当センターへ寄せられ、調べたところ、いろいろな機関等で調べて公表されているえごま油とは脂肪酸の組成が大きく異なるものがあり、純粋なえごま油であるか疑わしいものがありました。

 

20銘柄調査した結果、1銘柄については、一般的なエゴマ油の脂肪酸組成と大きく異なってα-リノレン酸の比率が少なく、リノール酸の比率が高かったので、他の油が混ざっている可能性があります。

 

また報告の中で、私が気になったのは、「血液サラサラ」「生活習慣病、アレルギー予防」といった健康維持・増進効果を表現しているものがいくつかあり、これらは健康増進法景品表示法上で問題になる可能性があることです。

 

オールアバウト食と健康の過去の記事などで書いていますが、食品は薬ではないので効果効能は表現できません。

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食べ物が私たちの体の血となり肉となるのは真実で、だからこそ健康のためにも大切なのですが、薬ほど生理機能や効果については検証はされていません。また成分も一定ではないのです。

 

良い成分が含まれているからと一生懸命せっせと摂取していても、実は思っていたほど含まれていなかった・・・。表示通りの栄養成分ではなかったことって、これまでも飲料とか、健康食品でもありました。

 

また今回のようにエゴマ油は、やはり油ですから、健康に良いという情報にとらわれて摂りすぎると、カロリーのとりすぎにもなります。そして、エゴマ油などのn-3系脂肪酸は酸化しやすいので、これは良い質の油と思い、ちびちび使うと日が経って酸化していたとか・・・。

 

私は、あまりひとつのものに固執しないことも大切だと思うのです。健康のためにはいろいろなものを偏ることなく、まんべんなく食べるってことが良いっていうのは、バランスよく摂るというだけでなく、リスクを分散することにもなっている、という意味もあることを理解しておきたいものです。

 

 

トイレが近いのは、塩分の取りすぎが影響していることも

歳とともにトイレが近くなるのは、よく耳にするお話。外出の不安や、睡眠不足にもつながり、QOLの低下にもなりかねません。

 

頻尿の原因は様々ですが、食事の塩分が多めことも要因ではないかという研究報告がありました。

 

ちょっと意外な気もしましたが、なるほど! です。頻尿以外の健康面でも減塩は大切なことです(もちろん不足もいけませんが)。

 

頻尿と塩分のお話、減塩のコツなどをまとめました。

 

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注目の甘味料 エリスリトール

カロリーゼロと表示でき、血糖値に影響しない甘味料、エリスリトール。

 

清涼飲料水や、アイスクリーム、チューイングガムなどにも使用されていることがあります。

 

どのような特長があるのか、またどのように使われているのかについて、まとめました。

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おめでたく演出し、野菜もたっぷり食べられる松風焼き。

おせち料理は、海老芋の鶴、干し椎茸の亀、慈姑の松笠、金時人参の捻り梅、花蓮こん、おめでたい飾り切りにして、心を込めます。

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飾り切りをしてたくさんの切れ端が出てしまいます。

私は、その野菜の切れ端を粗く微塵きりして鶏ミンチに混ぜ、調味して焼き、ケシの実や青のりをふって松風焼きに。

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いろいろな野菜の風味が加わって美味しくなりますし、野菜好きの娘には、特に蓮こんや芋の食感が良いと大好評です。

 

お正月はご馳走をいただけるハレの日ですが、野菜やきのこ、芋類をできるだけ一緒に摂れるように、また食品ロスを少しでも減らせるようにと考えた一石三鳥のお料理で、必ず作ります。

 

新年明けましておめでとうございます。

本年も皆様がお健やかでありますように。

 

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現代的な暮らしにはなり、色々な行事や祝い事は簡略化していますが、おせちを作らないと歳神様をお迎えする気分が高まりません。

 

我が家でも歳神様をお迎えするべく、年末にささやかながらおせち料理を作りまして、元旦家族揃って祝いの食膳を囲むことができました。

 

私の母も一緒にいただくのですが、だんだんお餅が詰まらせないか、心配になってきました。高齢者の方の咽喉部の老いの変化が、お餅の性質と合わさりつまりやすいので、気をつけてください。

 

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干しひじきは鉄鍋かステンレスかで鉄分は10倍変わる?

「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」が文部科学省より公表されました。

「日本食品標準成分表」は、健康維持する上で、栄養指導や食事療法などを行う上で、日本で常用される食品の栄標準的な養値を可食部100gあたりで示したものです。

 

今回は、収載食品が300増えています。日本の伝統食を代表する刺身や天ぷら、また健康志向を反映して、発芽玄米や後刻、あまに油などが加わっていますし、アレルギーに配慮して玄米粉米粉パン、米粉麺に、唐揚げ、トンカツなどの調理済み食品も加わりました。

 

詳しくは、「日本食品標準成分表の改定について」お読みください。

http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/__icsFiles/afieldfile/2015/12/10/1362535_1.pdf

 

少し話題になってるいるのが、「干しひじき」です。

「干しひじき」は、鉄分が豊富なことで知られています。この干しひじきは、原藻を蒸し煮して乾燥させたものですが、加熱時間が長く煮熱用の釜が鉄かステンレスかで、成分が大きく異なるため、両方の製造方法で鉄分を分析されています。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/12/24/1365346_1-0309.pdf

 

鉄釜の製品では干しひじき100グラム当たり鉄分が58.2ミリグラム、ステンレス釜では同6.2ミリグラムと、約10倍も異なりました。

 

昔の人が、鉄鍋で料理すると鉄が補ると経験的に伝えていましたが、こういう分析が公となることは少なく、大変興味深いですね。成分表はあくまで目安ですが、10倍ことなるということはやはり影響が大きいということです。今後は、「鉄鍋製」ということがキャッチフレーズとなる表示も出てくるでしょう。

 

ひじきに関しては10倍ですが、他の食品ではどうなのか・・・・。

また、例えば調理による影響というのは関連性があり、加熱調理することで植物の細胞壁を壊して吸収を促す、あるいはポリフェノールの中にはミネラルをキレートして吸収を阻害するものもある、と考えられています。

 

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たくさん摂取していると思っていても、実際にはそうでもなかった、ということもあるかもしれません。こうした調理や取り合わせの影響も、今後明らかにってくると思います。

 

日本食品標準成分表は、あくまで標準ですから、あなたの今目の前の食品がそのまま同じ栄養価であるとは限りません。どれくらい取れているか、バランスはどうなのか、ということの目安にするということです。数字にばかりとらわれて、何か不足しているのではないかと、安易に健康食品などに頼るのは、またリスクがあります。多様なものをほどほどにいただく。ことが健康のための基本的な食事だと思います。

 

 

 

カフェインとの付き合い方

先日、福岡市でカフェイン中毒でお亡くなりになった方がおられました。

 

21日の解剖の結果では、カフェインの血中濃度が致死量に達していたことが分かったと発表されました。

 

エナジードリンク飲まれていただけでなく、解剖の結果胃の中からカフェインの錠剤も見つかっています。以前から常々利用されていたり、体調が悪かった様子もうかがわれています。体調が悪いにも関わらず、カフェインに頼る生活をしていたという点がとても気になりますが・・・。

 

毒性というのは、「量」の問題とされています。

どんなに健康的なイメージの野菜とか、成分でも過剰にとっては毒にもなります。カフェインも医薬品成分として利用されることもありますが、過剰摂取には注意が必要です。

 

特に含有量はエナジードリンクが多いのですが、コーヒーだけでなく茶、マテ茶、ココアなどの食品、サプリメントなどに含まれているものもありますから、知らずにとっていると、意外に摂取していたというとこにもなりかねません。

 

カフェインとの付き合い方は、皆さんにも知っておいていただきたいと思います。

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