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機能性表示食品とトクホの製品 あなたは違いがわかりますか?

4月に導入された機能性表示食品がスタートしました。

 スーパーの飲料売場を通りかかって、ふと目につきました「ノンアルコール」のコーナーに、隣どうしに並んでいた「炭酸飲料」です。

 

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とても似ていますが、上の表示は「トクホ」で、下の表示は「機能性表示食品」。上の「トクホ」は、初めてトクホでノンアルコールビールテイスト飲料が出たので、少し前に話題になった飲料の一つです。「機能性表示食品」の方は、「脂肪の吸収を抑える」という機能性も記載されていますが、どちらも共通しているのは「糖の吸収をおだやかにする」という機能性のコピー。

 

どちらのメーカーさんも、「食事のバランスが大切」であるというようなコピーを入れるなど、きちんと表示内容のルールは遵守されています。しかし受け止める側の私たち消費者は、どうでしょう。このように並んでいて、コピーを見て、どちらがどうで、どう違うのか、わかりますか?

 

トクホ製品は、その製品ごとに有効性・安全性の審査を受けて、消費者庁の許可を得て表示できます。このトクホ製品の場合は、消費者庁の届出詳細内容を見ると、規格基準型トクホでした。規格基準型トクホは、これまで許可数が多く科学的根拠が蓄積したと思われるものについて、定められた規格基準に適合しているものに許可されます。

 

事業者にとって、トクホは審査などに時間も経費もかかるということで、少しハードルを下げるために規格基準型や条件付きなどのカテゴリが増え、また新たに今年の4月から機能性表示食品の制度ができたわけです。トクホの方がほんのわずかですが、お値段は高めでした。

 

機能性表示食品は、国の審査は受けておらず、事業者の責任において表示できます。ただし、審査は受けないといっても、有効性や安全性の科学的根拠などを申請する際に提出します。

*消費者庁のサイトで、製品の科学的根拠などの公開情報を読むことができます。

 

どちらの製品も、機能性成分は「難消化デキストリン」。近年市場に出てくるトクホなどでも人気のある成分ですね。トクホの方は「製品についての働き」が表示され、機能性表示食品は「本品には難消化デキストリンが含まれています。難消化デキストリンには・・・(略)・・・報告されています。」と、「難消化デキストリンの働き」について表示されています。

 

どちらの製品にも「難消化デキストリン」は多量にとりすぎるとおなかがゆるくなることがある、というような注意事項も記載されています。摂り方は、食事中に1本、一日1本。限られた缶の中に、苦心して表示内容を盛り込んでありますから、とても小さい字ですがしっかり読む必要がありますね。難消化デキストリンは、様々な食品に利用されていますから、知らずに摂取しているかもしれません。

 

選択の範囲が広がるのは悪いことではありませんが、機能性表示食品の中にはまだまだ科学的根拠が不十分なのではないかという議論の残る製品もあります。

 

そして何より情報をうけとる私たちが、表示の意味を理解していなければ、正しく選択することはできません。私は、行政の周知も、私たち消費者の理解もまだまだ十分ではなく、選択の際に活用できる段階にはいたっていないと思います。

 

魅力的なコピーにひかれても、選択する際には、公開情報を見たり、事業者に問い合わせするなどして情報を集め慎重に選びたいものです。こうした機能性を表示した食品は、何か健康被害があっても、薬のような救済制度はなく自己責任となっています。

 

機能性表示食品について、ここがポイントという部分を、オールアバウト食と健康でまとめました。

allabout.co.jp

 

またトクホにしても機能性表示食品にしても食品ですから、「薬」のような効果を期待するものではありません。これさえ飲んでいれば・・・、なんて過度な期待はしないようにしましょう。