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日本人の腸内細菌叢は、平均寿命や低い肥満率に関連かも

webニュースで見ていてふと目に止まり、早稲田大学のサイトで確認しました。

 

早稲田大学理工学術院先進理工学研究科(服部正平教授)と、東京大学大学院新領域創成科学研究科の(西嶋傑博士課程学生ら)を中心とする共同研究グループは、106名の日本人を含めた12カ国のヒト腸内細菌叢データの比較解析を行い、腸内細菌叢の菌種組成が国ごとで大きく異なることや日本人の腸内細菌叢の特徴を明らかにしました。

日本人データと欧・米・中国等の外国11カ国データとの比較解析から、日本人腸内細菌叢は、

ビフィズス菌やブラウチア等が優勢し、古細菌が少ない、

②炭水化物やアミノ酸代謝の機能が豊富である一方で、細胞運動性や複製・修復機能が少ない、

③他の11カ国ではおもにメタン生成に消費される水素が日本人ではおもに酢酸生成に消費される等の違いや特徴が明らかとなった

④海苔やワカメ(の多糖類)を分解する酵素遺伝子が、約90%の日本人に保有されるのに対して、他の11カ国では〜15%となり、本酵素が日本人集団に特徴的に広く分布している。

 

そして、以上のような日本人腸内細菌叢の特徴には、生体に有益な機能が外国よりも多く含まれ、その総合的な有益性は日本人の世界一の平均寿命や低い肥満率等と関連することが示唆されました。(本研究成果は、科学雑誌『DNA Research』(3月6日online版)に掲載されました。)

 

詳しい内容は、

健康な日本人の腸内細菌叢の特徴解明、約500万の遺伝子を発見 平均寿命の高さや低肥満率等との関連も示唆 – 早稲田大学

を御覧ください。

 

ガイドは、ここにある海苔などのか移送を消化する酵素が日本人に多いこと、また大豆のイソフラボンから代謝されたエクオールを分解する酵素が多いことも取り上げました。詳しくは下のリンクからお読みください。

 

allabout.co.jp

 

最近は、健康のために、「何を食べるか」とか、「魔法のような効き目のある食べ物」などを求めすぎる傾向があると思うのですが、口に入れても、足し算のように効果があるとは限らない。摂取した後、消化・吸収・代謝などはどうなっているのか、ということも大切だということですね。

 

このように長い食習慣によって、国や民族が異なれば腸内細菌叢も異なるとなると、海外の人にとっては良い食べ方でも、日本人にとってはわからない。またその逆もあり得るのでしょう。

 

例えば、長年にわたりカロリーの約半分をご飯などの炭水化物で摂取を食べていたとはいえ、極端に炭水化物をとらなくなると、日本人ならではのメリットの多い腸内細菌叢も変化していくこともあるのでしょうね。

 

腸内環境の事は、心身の健康について幅広くかかわっていることが明らかになりつつあるので、今後ますます注目したい研究です。