元気の素は、日々のごはん

毎日の元気を支える食の話題をあれこれ

サルコペニア肥満ってなんでしょう。

高齢社会の日本では、健康寿命を延ばすために、高齢者の「筋肉量の減少や筋力の減少=サルコペニア」に対する対策が必要で、この話題はよく話題に取り上げられている言葉だと思います。

 

近年は、サルコペニアと肥満を併せ持つ「サルコペニア肥満」にも要注意。高齢者に多く見られますが、早ければ40歳代でも見られ、若い人も厳しいダイエットをすることでリスクが上がりますから、他人事と思えません。

 

詳しくは、オールアバウトで記事にしていますので、お読みください。

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加工肉と赤身肉の発がん性についての報道と、その受け止め方

10月26日、IARC(国際がん研究機関)は、加工肉を「ヒトに対して発がん性がある」、red meatを「ヒトに対しておそらく発がん性がある」に分類すると発表しました。そのニュースが、webやSNSなどでも広がっています。

 

「やっぱり加工品は何が入っているからわからない」

「私はベーコンも手作りしています」

というようなコメントも見かけました。

 

加工品だから、というのは関係ないようでしょう。というのは原料のred meatも分類されているわけですから。

 

この発表を聞いて、やみくもに恐怖感を感じるのはどうなのかなぁと思っていましたら、「食品安全委員会」からもこの発表の受け止め方についてでコメントが出されました。

www.facebook.com

 

 

少し長いので、私がここがポイントというところまとめますが、詳しく食品安全委員会Facebookを読んでみてください。

 

まずのこの評価の前に、注目したいことは、最期に添えられていた次の文言です。

一部報道で「red meat」の和訳を赤身肉としていますが、「red meat」 は、牛肉、豚肉、羊肉などを指し、日本語でいう霜降り肉の対義語の赤身肉は「lean meat」です。

 

私も、なるほどと思いました。くれぐれも、脂肪が少なくてヘルシーって言われたけれど、赤身肉は発がん性があってダメだから霜降りがいいわけね、なんて思い込まないようにしましょう。

 

ではでは、発がん性についての話題に移ります。

 

ヒトに対する食品の有害影響の度合を定量的に評価することをリスク評価といい、日本では食品安全委員会が行い、海外でも各国ごとに、また国際機関などでもリスク評価を行っています。

 

リスクは、ハザードの毒性影響の大きさにヒトへのばく露量 (食べる量)を考慮して評価します。


一方、今回加工肉と赤身肉の発がん性について発表をしたIARC(国際がん研究機関)は、発がん物質のハザードとしての特性を中心に解析を行っている機関です。

物質の発がん性について

「グループ1:ヒトに対 して発がん性がある」

「グループ2A:ヒトに対しておそらく発がん性がある」

「グループ2B:ヒトに対して発がん性がある可能性がある」

「グループ3:ヒ トに対する発がん性について分類できない」

「グループ4:ヒトに対しておそらく発がん性はない」

に分類を行っています。

この分類は、発がん性を示す根拠があるかどうかを重視しています。

 

つまり、発がん性があるという根拠が十分に揃っているレベルがたばこと同じであっても、同じレベルでがんを引き起こすというお話とはまた別だということです。

 

食品安全委員会では、次のように示しています。

今回の評価では、これをもって、すなわち「食肉や加工肉はリスクが高い」と捉えることは適切ではないと考えます。食品のヒトの健康への影響については、前述のようなリスク評価機関におけるリスク評価を待たなければなりません。

           〜略〜

食品のリスク評価は、その物質の代謝、毒性試験(短期の急性毒性、長期の慢性毒性、生殖発生毒性、遺伝毒性、発がん性などの試験)、ばく露評価など、十分なデータに基づいて予見を持たずに行われることが必要です。

これまで欧米人と比べると日本人の加工肉や赤肉の摂取量は少ないとされていますが、調査の平均値というのは、どうしても大きな数字に引っ張られます。極端に多く食べているような人は、過剰にとりすぎないように意識すること、健康の面においてマイナスにはならないでしょう。

 

がんについてはまだまだ研究が十分ではありませんが、運動はリスクを下げる評価がありますし、肥満や飲酒がたばこなども、いくつかのがんのリスクを高めることも指摘され、いろいろな生活習慣が影響しているものです。

 

肉を食べることにも、良質のたんぱく質を補給し、また牛肉などは鉄分が多く若い女性に不足しがちな鉄分を摂取できるなどのメリットがあります。毎日肉ばかりを食べ過ぎない、食べる時には抗酸化成分を含む野菜などもたっぷり添えるなどして、過剰な摂取にならないよう気をつけるということでよいのではないでしょうか。

 

いつもよく書くことですが、幅広い食品から様々な栄養成分を摂ること。それが健康のために役立ち、またリスクを分散することにもなると思います。

 

スギヒラタケにご注意!

秋の実りがおいしい季節です。ここ数年、キノコ狩りを楽しむシーズンには、農林水産省からスギヒラタケの摂取は食べないようにという注意喚起が出ます。

 

農林水産省のサイトから簡単にまとめますと、平成16年まではスギヒラタケは食べられるキノコと考えられていたそうですが、平成16年以降に急性脳症などの報告が多数よせられました。

 

当初は腎機能が低下している人に起こるのではないかと考えられましたが、原因等を研究してもスギヒラタケが安全に食べられるキノコかどうかは現時点ではわからず、腎機能が低下していない人も含めてスギヒラタケの摂取を控えるように勧告しています。

 

スギヒラタケは、地方によって様々な呼び方があるので、そこもチェックしてほしいところです。下のリンクから、ご自分の住む地方ではどのように呼ばれているか、チェックしてみてください。

 

私は、「摘み菜を伝える会」という団体で、野草や海藻など食べられる菜の勉強をしていますが、キノコは特に専門の知識が必要で難しいと聞いており、素人判断で採取したり食べることはしません。

 

自然観察や山歩きなど人気がありますが、決して安易にキノコを採取して食べないようにしてください。

 

www.maff.go.jp

秋の味覚 ギンナンを安全に楽しむために

秋らしい爽やかな毎日が続いています。

天高く馬肥ゆる秋ですね。芋・栗・松茸・銀杏・・・・、おいしい秋の実りが出回っています。

 

銀杏も、お料理に添えると秋らしい風情が漂い、塩炒りしたり素揚げしても、おいしいですよね。

 

でもそんな銀杏も、一度に食べすぎると中毒を起こすことがあります。特にお子様には注意が必要です。

 

何事もですが、おいしくても食べ過ぎは禁物です。中毒が起きたときには、「吐かす」と痙攣を誘発するのでよくないというのも、今回調べて初めて知りました。いざという時のために知っておきたいことですね。

 

詳しくは、オールアバウトでまとめていますので、お読みください。

 

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栄養ドリンクに配合されているタウリンって?

働き盛りの方々の中には、ハードな仕事の毎日で、栄養ドリンクのお世話になっている人もいますよね。

よくラベルに書いてある「タウリン配合」。

タウリン」っていったい、何なのか?

どんな作用が期待されているのか ?

食事からとるタウリンと、栄養ドリンクとの違いも含めてまとめてみました。

 

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楊貴妃も愛した銀耳

私は、素食プランナーとして、先人の食の知恵を次の世代にお伝えしたいと考えています。今のように医療や制約の技術が発達していなかった時代から、先人は日々の食事で病気を予防したり、癒したりしていました。

 

食事や食べ物ですから、科学的な根拠の元に裏付けされた特定の成分を濃縮した薬とは異なりますから、それほど効果がえられなかったこともあるでしょう。

 

でも近年は、昔からの伝統的な食養生の知恵を、科学的に分析し、どのような成分がどのように機能するかなどを研究されているものがあります。

 

例えば、漢方では銀耳と書く「白キクラゲ」。唐の絶世の美女とされた楊貴妃も、美と健康のために愛したといわれる食べ物です。

 

調べてみると、含まれている多糖類は保湿成分となり、抽出された多糖類はスキンケア用品や医薬品にも利用されているそうです。もちろん食べ物として食べる分には有効量を摂取するのは難しいことですし、どれほどの効果が出るかはわかりませんが、楊貴妃が愛したのもまんざら嘘でもないのでは?と想像するとおもしろいですね。

 

近年キクラゲは、国産の生キクラゲも少しずつ増産されています。コリコリ歯触りが楽しいです。キクラゲの魅力は、こちらもご参照ください。

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にんにくの過剰な食べ方にご注意

エアーバンドで人気の歌手の方が、バラエティ番組の収録でにんにくを食べ過ぎて、体調が悪くなったというニュースを見ました。

 

にんにくは、民間療法や養生にも使われる食品ですが、一方で食べ過ぎについても注意するようにと、昔から言われてきました。番組を盛り上げようと頑張られたんだと思いますが、周りのスタッフの方々も含めて知らない若い方が多いのでしょうね。先人からの知恵も、今の時代なかなか伝わりにくい暮らしになっているのだと思います。

 

にんにくに含まれる成分の機能性については、科学的にもいろいろと明らかになってきていますが、やはり特定の成分だけを濃縮した薬とは異なり、食べ物ですので効果などについては、さらなる研究が必要です。

 

注意事項なども含めて、詳しくは先月にニンニクについての記事を書きましたので、ご紹介します。

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また今回のことは、「健康によい」というイメージのある食べ物も、食べ過ぎては毒になりうる、ということの象徴的なケースだと思います。

 

この春から、トクホや栄養機能食品の他に、機能性食品なども出てきまして注目されていますが、これらもあくまで食品です。薬ほどの効果があるとか、病気を治すとは謳えないレベルのものです。過信して偏った摂り方にならないようにしてくださいね。